令和4年度行政書士試験の受験料値上げの理由、令和5年はどうなる?意見公募手続きを読んで行政法も覚えよう。

行政書士基本情報

行政書士試験の受験料は高い?どうして値上げされた?令和5年の試験はどうなる?

令和5年度の行政書士試験の概要が更新されたようです。

一般財団法人行政書士試験研究センター

内容は令和4年度と変わっていませんでした。
こちらも確認してください。試験の申し込み方法とか書いてます。
行政書士試験ってどうやって受けるのか?何点取れば受かるのか知りたい人へ

何度か受験している方ならご存知かと思いますが、令和4年度から行政書士の受験料が上がっています。
令和3年度 7,000円→令和4年度 10,400円 
もちろん、今年度も10,400円です!

どうして値上がりしたのか調べてみました。

この記事を書いている「大根おろし」です。

令和3年166点 令和4年記述抜き182点で合格してます。 

サラリーマンを続けながら法律の勉強と、副業の模索をしています。

行政書士試験受験料値上げに関する”パブリックコメント”を確認する方法

ある程度、行政法を勉強している人ならわかると思いますが、行政書士試験は都道府県の事務のようなので、「意見公募手続」で確認することができます。

行政書士試験の受験料値上げに関するパブリックコメント

パブリックコメントを調べてみたところ

〇地⽅公共団体の⼿数料の標準に関する政令の⼀部を改正する政令(令和4年政令第32号)
上記の政令の一部に『本則の表四十四の項中「七千円」を「一万四百円」』にすると書いてありました。
『本則の表四十四の項中』というのが、行政書士試験の受験手数料のことだと思います。

パブリックコメントの確認方法

e-Gov

で確認することができます。
さらに【パブリック・コメント】→【案件一覧】→で検索できます。

検索文言が難しいので最初は調べにくいかもしれません。

受験料の値上げを反対する声が9割でした。
中には「行政書士の質」を下げないためにも受験料を挙げるべきだという声もありました。

行政書士試験受験料値上げの理由

行政書士試験の値上げには、政令案に対する意見がたくさんありました。それに対する解答で理由を知ることができました。

理由① 平成12年以降の受験申請システムの導入の経費

詳しくはわかりませんが、平成12年に受験システムが大きく変わったのだと思われます。
実際に総務省のHPで平成11年自治省告示第250号を確認すると、平成12年度に現在の行政書士試験が確立されたことを感じ取ることができます。
また、一般財団法人行政書士試験研究センターのHPでも
【平成12年度以降実施された行政書士試験の問題は、当センターが作成したものであり、その著作権は当センターに帰属しております。】
と、記載がありますので、平成12年から一般財団法人行政書士試験研究センターが試験を管轄するようになり、当時と現在のの経済的な事情などが影響しているのだと思います。

理由② 平成15年以降の⻑期的な出願者数の減少傾向

年度申込者(人)受験者(人)合格者(人)合格率
平成元年度21,1672,67212.62%
平成2年度22,4062,48011.07%
平成3年度26,2283,09211.79%
平成4年度30,4462,8619.40%
平成5年度35,5813,4349.65%
平成6年度39,7811,8064.54%
平成7年度39,4383,6819.33%
平成8年度43,26736,6552,2406.11%
平成9年度39,74633,9572,9028.55%
平成10年度39,29133,4081,9565.85%
平成11年度40,20834,7421,4894.29%
平成12年度51,91944,4463,5588.01%
平成13年度71,36661,0656,69110.96%
平成14年度78,82667,04012,89419.23%
平成15年度96,04281,2422,3452.89%
平成16年度93,92378,6834,1965.33%
平成17年度89,27674,7621,9612.62%
平成18年度88,16370,7133,3854.79%
平成19年度81,71065,1575,6318.64%
平成20年度79,59063,9074,1336.47%
平成21年度83,81967,3486,0959.05%
平成22年度88,65170,5764,6626.60%
平成23年度83,54366,2975,3378.05%
平成24年度75,81759,9485,5089.19%
平成25年度70,89655,4365,59710.10%
平成26年度62,17248,8694,0438.27%
平成27年度56,96544,3665,81413.10%
平成28年度53,45641,0534,0849.95%
平成29年度52,21440,4496,36015.72%
平成30年度50,92639,1054,96812.70%
令和元年度52,38639,8214,57111.50%
令和2年度54,84741,6814,47010.70%
令和3年度61,86947,8705,35311.18%
令和4年度60,47947,8505,80212.13%

平成12年~平成17年くらいまでは順調に増えてましたが、近年は受験者が減少傾向なので、値上げは間違いではないかもしれません。

理由③ 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う試験会場数の増

私もコロナ禍での受験を体験してきましたが、行政書士試験に限らず、コロナのせいで経費が上乗せになることの方が多いようです。

意見公募手続きを学ぶ

良い機会なので行政手続法を学びましょう。
第39条 意見公募手続 を確認します。

第三十九条

命令等制定機関は、命令等を定めようとする場合には、当該命令等の案及びこれに関連する資料をあらかじめ公示し、意見の提出先及び意見の提出のための期間を定めて広く一般の意見を求めなければならない。

命令等の案及びこれに関連する資料 

命令などの案政令案概要   PDF


意見の提出先及び意見の提出のための期間

意見募集要領(提出先を含む)意見公募要領   PDF
受付開始日時2021年12月4日0時0分
受付締切日時2022年1月7日23時59分

しっかり公示され、期間も定められていました。

2項

前項の規定により公示する命令等の案は、具体的かつ明確な内容のものであって、かつ、当該命令等の題名及び当該命令等を定める根拠となる法令の条項が明示されたものでなければならない。

命令等の案は、具体的かつ明確な内容

命令などの案政令案概要   PDF


題名及び当該命令等を定める根拠となる法令の条項

根拠法令条項地方自治法(昭和22年法律第67号)第228条第1項

3項

第一項の規定により定める意見提出期間は、同項の公示の日から起算して三十日以上でなければならない。

2021年12月4日~2022年1月7日

正月を含んでいるので余裕思って定めていますね。

4項(適用除外)

 納付すべき金銭について定める法律の制定又は改正により必要となる当該金銭の額の算定の基礎となるべき金額及び率並びに算定方法についての命令等その他当該法律の施行に関し必要な事項を定める命令等を定めようとするとき。

 予算の定めるところにより金銭の給付決定を行うために必要となる当該金銭の額の算定の基礎となるべき金額及び率並びに算定方法その他の事項を定める命令等を定めようとするとき。

金銭に関することは、意見公募手続を行っても安価な方を支持するので適用除外だと思っていました。

よく読むと、「基礎となるべき算定方法」を定めるときは適用除外のようです。

ところで、今年度は模試をやりましたか?
実力診断は早い方がいいですよ。

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