行政書士試験に出る!絶対に覚えなければいけない「善意重過失」を一気に覚えろ!コスパよく学習して合格しよう!

行政書士基本情報

「善意重過失」を一気に覚えよう!

行政書士試験の受験勉強していると時々出てくるのが「善意重過失」、極たまに出会う言葉なら良いが、ちょくちょく出てくるので、どの条文に「善意重過失」が当てはまるのか、なかなか覚えられません。今回は、一気に「善意重過失」の条文、判例を覚えてしまいましょう!

「善意重過失」とは?

善意重過失とは、「重大な不注意により知らなかった」状態のことです。
もうちょっと噛み砕くと、「普通なら知っているべきことを、本人の失敗のせいで知らなかった」ときのこと
「そんなことも知らなかったり、調べなかったりするのは、あなたにも責任がありますよ」って言われる状態です。

「善意」「悪意」について

法律上の善意・悪意は「正義」と「悪」ではなく。ある事情を「善意=知らなかった」、「悪意=知っていた」
と、なります。

「過失」とは何か?「重過失」との違い

過失とは「不注意」のことです、重過失は不注意の程度が重いものを言います。

重過失の例

消費者庁のHPより
「問7 事業者に「重大な過失」があるとされるのはどのような場合です
か。」

消費者庁では「重過失」を「僅かの注意をすれば容易に有害な結果を予見し、回避することができたのに、漫然と看過したというような、ほとんど故意に近い著しい注意欠如の状態」としています。
例として、以下のような事例を挙げています。

・今後、日当たりが悪くなるようなことが簡単にわかるのに、「日当良好」としてマンションを販売した件。(不動産業者に重過失がある)

行政書士試験合格のために「善意重過失」を覚える重要性

行政書士試験では善意・悪意・善意無過失・善意重過失・善意有過失・善意無重過失など、善意悪意だけでも多くのパターンを覚えなければなりませんが、たいていの場合は
・善意有過失
・善意無過失

が問題になってきます。(悪意はあたりまえに覚えましょう)
「善意無過失」は比較的覚えやすいですが、「善意有過失」はそうもいきません。
善意有過失でもその過失が「重過失」の要件が必要なのか?と迷うところが多く出てきます。
そのようなときに迷わないようにしっかりと詰めていきましょう!

過去にもたくさん出題されている「善意重過失」

択一での出題

平成30年度 本試験より
問題33 Aに雇われているBの運転する車が、Aの事業の執行中に、Cの車と衝突して歩行者Dを負傷させた場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。なお、Aには使用者責任、BおよびCには共同不法行為責任が成立するものとする。

1  AがDに対して損害を全額賠償した場合、Aは、Bに故意または重大な過失が
あったときに限ってBに対して求償することができる。

解答 ×
共同不法行為の求償は過失で足ります。

重大な過失なのか、そうじゃないのか迷いますよね

記述式での出題

問題45 Aは、Bに対して 100 万円の売掛代金債権(以下「本件代金債権」といい、解答
にあたっても、この語を用いて解答すること。)を有し、本件代金債権については、A・B間において、第三者への譲渡を禁止することが約されていた。しかし、Aは、緊急に資金が必要になったため、本件代金債権をCに譲渡し、Cから譲渡代金90 万円を受領するとともに、同譲渡について、Bに通知し、同通知は、Bに到達した。そこで、Cは、Bに対して、本件代金債権の履行期後に本件代金債権の履行を請求した。Bが本件代金債権に係る債務の履行を拒むことができるのは、どのような場合か。民法の規定に照らし、40 字程度で記述しなさい。

解答
C が 、 本 件 代 金 債 権 の 譲 渡 禁 止 特 約 に つ き 、 知 り 、 又 は 重 大 過 失に よ り 知 ら な か っ た 場 合

私は令和3年度の試験を受けて、この問題で「重過失」を書けずに不合格でした!!

民法の条文を確認しましょう

錯誤

第九十五条
3 錯誤が表意者の重大な過失によるものであった場合には、次に掲げる場合を除き、意思表示の取消しをすることができない。
一 相手方が表意者に錯誤があることを知り、又は重大な過失によって知らなかったとき。
二 略

基本的には、社会通念に照らして重要な事項は「錯誤」によって取り消しをできるが、表意者が善意重過失であるときはできない。
さらに、その場合、相手が悪意または、善意重過失であるときはできる。

「~することができない、でも、~のときはできる。」

ってやつは、重要です!

そこまで覚えないと行政書士試験合格は見えてきません!

債権譲渡

第四百六十六条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。

 当事者が債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示(以下「譲渡制限の意思表示」という。)をしたときであっても、債権の譲渡は、その効力を妨げられない。

 前項に規定する場合には、譲渡制限の意思表示がされたことを知り、又は重大な過失によって知らなかった譲受人その他の第三者に対しては、債務者は、その債務の履行を拒むことができ、かつ、譲渡人に対する弁済その他の債務を消滅させる事由をもってその第三者に対抗することができる。

債権は「譲渡制限」があっても譲渡することができます。
ただし、譲受人がその「譲渡制限」を知っているかまたは、重大な過失により知らなかったときは、その債務の履行を拒むことができる。

債権は物権と違って絶対性が無いから、相手にしか権利を主張できない。
ってのを覚えていると、譲渡制限を知らない第三者の保護に納得できます。

契約不適合

(目的物の種類又は品質に関する担保責任の期間の制限)
第五百六十六条 売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。

売買時、売主の不注意で、商品に不備(不適合)があった時に、1年以内に通知をしなければ権利が消滅して今います。でも、売主がその不備(不適合)を知っているかまたは、重大な過失により知らなかったときは、1年を超えて通知できるのです。

これも

「~することができない、でも、~のときはできる。」

ってやつです。絶対覚えましょう。

緊急事務管理

(緊急事務管理)

第六百九十八条 管理者は、本人の身体、名誉又は財産に対する急迫の危害を免れさせるために事務管理をしたときは、悪意又は重大な過失があるのでなければ、これによって生じた損害を賠償する責任を負わない。

通常の事務管理では「善管注意義務」を負いますが、「急迫の危害を免れさせるため」の事務管理は「緊急事務管理」となり、善管注意義務が無くなりますので、損害賠償責任が無くなります。
ただし、事務管理者が「悪意」又は「重大な過失がある」ときは損害賠償責任を負います。

ここで言う「悪意」は知っているという意味とは少し違って、「悪意=本人を害する意思」となっています。

相殺

(相殺の要件等)

第五百五条 二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。

 前項の規定にかかわらず、当事者が相殺を禁止し、又は制限する旨の意思表示をした場合には、その意思表示は、第三者がこれを知り、又は重大な過失によって知らなかったときに限り、その第三者に対抗することができる。

譲渡制限と同じイメージを持てば簡単です。

第三者が相殺禁止の特約を知っているか、重大な過失により知らなかったときにしか主張できません。

商法・会社法もしっかり覚えよう

民法以外にも「善意重過失」の含まれる条文はありますので確認しましょう。

国家賠償法

国家賠償法

第一条 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。

 前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。

公共団体等が、国家賠償法により支払った賠償金を、損害を加えた公務員に求償するときは、その公務員に「故意」か「重大な過失」が無ければ求償できません。

国賠は毎年1~2問出ますから、絶対覚えるポイントです。

株式会社設立時の第三者への損害賠償責任

(発起人等の損害賠償責任)

第五十三条 発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、株式会社の設立についてその任務を怠ったときは、当該株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

 発起人、設立時取締役又は設立時監査役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該発起人、設立時取締役又は設立時監査役は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。

発起人や設立時取締役は会社に対し責任がありますが、悪意や重大な過失により第三者に損害を与えた場合は第三者にも責任を賠償しなければなりません。

会社法設立までは絶対に覚えたほうがいいですよ!!!
会社法で1~2問取れるだけで合格率は跳ね上がります!

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失火責任法

失火ノ責任ニ関スル法律

民法第七百九条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス

「民法709条は失火の場合の適用を重大な過失の時に限定する」と言っています。

名板貸し

(譲渡人の商号を使用した譲受人の責任等)

第十七条 営業を譲り受けた商人(以下この章において「譲受人」という。)が譲渡人の商号を引き続き使用する場合には、その譲受人も、譲渡人の営業によって生じた債務を弁済する責任を負う。

 前項の規定は、営業を譲渡した後、遅滞なく、譲受人が譲渡人の債務を弁済する責任を負わない旨を登記した場合には、適用しない。営業を譲渡した後、遅滞なく、譲受人及び譲渡人から第三者に対しその旨の通知をした場合において、その通知を受けた第三者についても、同様とする。

 譲受人が第一項の規定により譲渡人の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡人の責任は、営業を譲渡した日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。

 第一項に規定する場合において、譲渡人の営業によって生じた債権について、その譲受人にした弁済は、弁済者が善意でかつ重大な過失がないときは、その効力を有する。

簡単に言うと、会社の商号が譲渡されたのを知らずに取引した第三者が、「善意重過失」だと保護されないと言っています。

商法は条文が多いけど、出題は絞られるので、手持ちのテキストの範囲は覚えましょう。

「善意重過失」を覚えたら・・・

いくつかの条文を紹介してきましたが、本当に細かく調べるともう少し「重大な過失」の文言を含む条文は存在します。
ただ、行政書士試験を突破するにはここにある条文で十分です。

「善意重過失」の条文をおぼえたら
それ以外の条文は「善意で足りる」と覚えましょう!
「善意無過失」「善意重過失」「善意有過失」の3パターンを覚えてしまえば合格は近づきます!
「善意無過失」の条文は簡単に覚えることができると思います。
今回「善意重過失」の条文を覚えれば

それ以外は「善意有過失」だと覚えればOKです!

合格目指して頑張りましょう!

実力診断は早い方がいいですよ!
やるべき課題や、今年度の出題傾向をつかむことができます!

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