占有の訴えは本件の訴えを妨げず、また、本権の訴えは占有の訴えを妨げない、行政書士試験の民法202条1項
行政書士試験を受けようとした1年目、そしてその、民法1周目に、この条項の、この文言「占有の訴えは本件の訴えを妨げず、また、本権の訴えは占有の訴えを妨げない」を読んで、まったく意味が分からなかったので、もう一度確認してみたいと思います。
「大根おろし」と言います。私がこの記事を書いています。
令和3年166点、令和4年記述抜き182点で合格。
未だにサラリーマンを続けている、普通のアラフィフおじさんです。
「占有の訴えは本件の訴えを妨げず、また、本権の訴えは占有の訴えを妨げない」とは、占有権と本権のどちらを使っても良いということ。
本権と占有権のどちらもあるときは、本権による権利と占有権による権利のどちらを主張しても良いってことです。
例えば、商品を買って所持しているとき。
取引行為により商品を購入し所持している=取引行為で「所有権」+所有権による「占有権」がある状態
この状態で、商品が他人に奪われたときは、
- 所有権による「返還請求」(自分の所有物なので返してください)
- 占有権による「占有回収」(私が持っている権利があるので返してください)
と、両方言うことができます。「所有権があるんだから、所有権を主張しなさい!」とはならず、占有権を主張して、占有回収の訴えを行っても良いのです。
これが、「占有の訴えは本件の訴えを妨げず、また、本権の訴えは占有の訴えを妨げない」ということです。
所有権があるときに、占有権で訴えるのが、通常の生活ではピンとこないので難しいと思います。
自分が借りたレンタルDVDを他人に奪われたとき
ちょっと、話はずれますが、借りたものを奪われて時を確認します。
賃貸借により商品を所持している=賃借権により占有権を取得、所有権は無い状態。
レンタルDVDの所有権=レンタル店に所有権
自分=レンタル店と賃貸借により、占有権を取得
この場合、所有権は無いので
- 所有権による「返還請求」はできない(「そのDVDは私のものなので返して」とは言えない。)
- 占有権による「占有回収」はできる(「賃借権による占有権があるので返してください」と、言える)
法律行為の原因をしっかりと考え、それを理由に訴えるのが大事です。
その考え方を身に着けるのが、行政書士試験合格への近道です。
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