【行政書士試験対策】長崎県警警部補自殺事件から学ぶ国家賠償法・民法・安全配慮義務違反・重過失とは?

実際の事件を見て国家賠償法を覚えましょう!(いつか本試験に出題されるかもしれません!)

令和4年度、法律ド素人から行政書士試験に挑戦し、択一182点で合格しました。
今はまだ会社員ですが、法律とネットで少しずつ副収入を得ながら日々勉強中です。
キャラクターが大根なのは、大根おろしが好きだから。ただのおっさんですが、ちょっと役に立つブログを目指しています。
長崎県警警部補自殺事件概要
【時事通信】警部補自殺、県に賠償命令=残業月200時間―長崎地裁
2020年、長崎県の佐世保警察署に勤務していた警部補の男性が自殺しました。原因は、上司によるパワハラや、長時間労働による精神的疲弊とされています。
遺族は県を相手取り、損害賠償を求めて提訴。そして2025年6月、長崎地裁は県の安全配慮義務違反を認め、約1億3500万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
ここで注目されたのが「重過失」の有無です。判決は、組織(県)の責任は認めましたが、上司個人の「重過失」は否定されました。
なぜ「重過失」が問題になるのか?
この裁判で遺族が訴えていたのは、ただの過失ではなく「重過失」でした。
なぜなら、重過失が認められれば、行政はその職員に対して「求償」(補償した金額の一部または全部を請求)できるからです。
たとえば、国家賠償法第1条により、公務員が違法行為により損害を与えた場合、国や地方公共団体が賠償責任を負います。ただし、公務員に「悪意または重大な過失(重過失)」があれば、公務員個人に対して国等が求償できる(民法第709条等に基づく)のです。
したがって、「重過失があるかどうか」は、個人の責任を問えるかどうかの境界線となり、被害者側にとっても、行政にとっても重大な意味を持ちます。
国家賠償法を確認しよう!
国家賠償法
第一条 国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
② 前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。
公務員個人を訴えることができない!でも、故意か重過失であれば国が公務員に求償!
国家賠償法では公務員個人ではなく、国または公共団体を被告としなければなりません。

個人に損害賠償を請求しても支払えない
公務員の職務活動を委縮させる
というのが理由のようです。
ただし、公務員が故意または重過失であれば、公務員に求償することができるのです。

実際の加害者に責任が大きくあることを、直に認めさせることができるのです!
求償権とは?
求償権(きゅうしょうけん)」とは、他人のためにお金を支払った人が、その分をあとで請求できる権利のことです。

民法第442条 「連帯債務に関する求償権」が関連します。
気になる人は調べてみましょう!
安全配慮義務違反を確認しよう!
国家賠償法は行政訴訟ではなく、国や公共団体を相手にした「民事訴訟」です。
長崎県警警部補自殺事件では長崎県の安全配慮義務違反によって損害を受けたとし、不法行為の使用者責任に基づいて訴えていると思われます。
(使用者等の責任)第715条
- ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
- 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
- 前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

↑被告が公務員だと、国家賠償法により故意または重過失の場合でないと求償できません!
安全配慮義務違反は民法に規定されていませんが、判例・学説で確立された法理です。
一、国は、国家公務員に対し、その公務遂行のための場所、施設若しくは器具等の設置管理又はその遂行する公務の管理にあたつて、国家公務員の生命及び健康等を危険から保護するよう配慮すべき義務を負つているものと解すべきである。
重過失について
過失とは不注意のことを言い、不注意の程度が重いものを重過失と言います。

ほとんど「わかってたよね?」「知っててやってるね!」って言うくらいの不注意が重過失だと考えましょう!

↑善意重過失の含まれる条文をまとめています!
✍️まとめ
✅ 国家賠償法第1条:公務員の職務上の違法行為による損害は、国や自治体が賠償責任を負う。
✅ 民法第715条:使用者責任により、組織も被用者の行為に対して損害賠償責任を負う。
✅ 重過失がカギ:故意や重過失があれば、行政は公務員個人に「求償」できる。
✅ 安全配慮義務違反:法文上の明記はないが、判例・学説で確立された重要な責任。
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