昭和53.5.31判例 外務省秘密漏洩事件【報道の自由】と令和5年度行政書士試験の出題予想についての考察「元毎日新聞記者 西山太吉さん死去」のニュースを受けて「密約 」

行政書士基本情報

西山太吉 – Wikipedia

はじめに、西山太吉さんのご冥福をお祈り申し上げます。

先日、「西山太吉さんが亡くなった」とテレビ等のニュースで放送されていました。
私も無知だったのですが、この方が、行政書士試験の「憲法」範囲に出題される判例

「外務省秘密漏洩事件」

の被告人だった人なのです。
私たち、行政書士試験受験生の間では有名人ですよね。

今回は、この「外務省秘密漏洩事件」を復習しながら
今年ニュースになったことが当年(もしくは間近の次年度)の行政書士試験に出題されるかを考察しました。

①「外務省秘密漏洩事件」の要点を確認しよう。
行政書士試験において、この判例が伝えようとしていることは
「報道の自由があっても、違法な方法で情報を得てはいけない」ということだと思います。
令和4年度の行政書士試験でも出題されています。
問題 3  表現の自由に関する次の判断基準が想定している事例として、妥当なものはどれ
か。
公共の利害に関する事項について自由に批判、論評を行うことは、もとより表現の
自由の行使として尊重されるべきものであり、その対象が公務員の地位における行動
である場合には、右批判等により当該公務員の社会的評価が低下することがあって
も、その目的が専ら公益を図るものであり、かつ、その前提としている事実が主要な
点において真実であることの証明があったときは、人身攻撃に及ぶなど論評としての
域を逸脱したものでない限り、名誉侵害の不法行為の違法性を欠くものというべきで
ある。
(最一小判平成元年 12 月 21 日民集 43 巻 12 号 2252 頁)
1  XはA駅の構内で、駅員の許諾を受けず、また退去要求を無視して、乗降客や
通行人に対してB市の施策を批判する演説を行ったところ、不退去などを理由に
起訴された。
2  Yは雑誌上で、宗教法人X 1 の会長X 2 に関する事実を批判的に報道したとこ
ろ、X 1 ・X 2 の名誉を毀損したとして訴訟になった。
3  作家Yは自らが執筆した小説にXをモデルとした人物を登場させ、この際にX
が不特定多数への公開を望まない私生活上の事実を描いたため、Xが出版差止め
を求めて出訴した。
4  新聞記者Xは取材の過程で公務員Aに接近して親密になり、外交交渉に関する
国の機密情報を聞き出したところ、機密漏洩をそそのかしたとして起訴された。
5  A市の公立小学校で成績の評価方法をめぐる対立が生じ、市民Yが教員Xを厳
しく批判するビラを配布したところ、XがYに対して損害賠償と謝罪広告を求め
て出訴した。

この問題は、「特別の法律関係」により公務員の権利が制限される点が論点になりますので
答えは”5”になりますが、”4”も公務員とあるので誤った方が多いかと思われます。

西山さんは、違法な方法で情報を得ることをしてしまったのですね。
実際には、外務省の女性事務官を酩酊させ男女の関係となり情報を得ていたそうです。
その点が「違法」とされたのですね。
相手方の女性事務官は「蓮見喜久子」さんといい、小説にもなっているようです。

ただ、この判例では、秘密の漏えいを「そそのかしても、直ちに違法とは言えない」としています。
「そそのかし方」が違法ではいけないとのことだと思いますが
国家公務員法では「情報漏えいをそそのかした者も処罰の対象とする」としています。
ここまで覚えても間違いではないと思いますが、そこまでややこしい出題をしないと思いますので。
「取材の自由であっても違法な情報収集は制限される」と覚えておけばよいと思います。

この判例はしばらく出題がありませんでしたが、令和4年度の試験において「はずれ」の選択肢で出題されましたので、令和5年度も出題があるかもしれません。

続きは↓のリンクからどうぞ

②最近のニュースが行政書士試験に出題されるのか?
③どのような問題の出題が予想されるか?


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