令和4年度行政書士試験 2022年 問題34 不法行為について考える 合格?不合格?難しかった?「野生の熊」!?

行政書士基本情報

令和4年度の行政書士試験が終わりました。

私も受けましたが、言い回しがいつもと違うから、落ち着いて何を言っているのか考えることが必要なものがありましたね。

ちなみに、結果はまずまずでした。

令和4年度 行政書士試験について 11月15日現在 の動画↓

1番から見てみましょう
1 未成年者が他人に損害を加えた場合、道徳上の是非善悪を判断できるだけの能力があるときは、当該未成年者は、損害賠償の責任を負う。
「道徳上の是非善悪を判断できるだけの能力」が誤りだと思います。
この文言は初めて見たので、即消去しました。

責任能力

第712条
未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。不法行為の条文を確認しましょう。
と、条文にあるので。言い回しを変えると
自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていたとき」となり
=「道徳上の是非善悪を判断できるだけの能力」にはならないと思うので不正解
第709条故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
2番を見てみましょう
2 精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、過失によって一時的にその状態を招いたとしても、損害賠償の責任を負わない。

(責任能力)

第713条
精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。ただし、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りでない。
有過失で「自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態」になったら責任を負うので不正解
ここまでは皆さんわかると思います・・・
問題は次の3,4,5の選択肢!
選択肢3・4・5を確認しましょう
まずは「正当防衛」と「緊急避難」の条文を確認しましょう。

第720条

  1. 他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。ただし、被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない。
  2. 前項の規定は、他人の物から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合について準用する。
てことで残りは3か5
最後に肢3・5を確認しましょう
3 野生の熊が襲ってきたので自己の身を守るために他人の宅地に飛び込み板塀を壊した者には、正当防衛が成立する。
まず、両肢とも「その物」を損傷したわけではないので、正当防衛だと推測する。
肢5の「窓を壊された被害者は、窓を割った者に対して損害賠償を請求できないが、当該暴漢に対しては損害賠償を請求できる。
正当防衛但し書きより                                 ただし、被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない。
の文言より正しい。
(この場合で言うと、窓を壊された人は暴漢に窓の修理費を請求できるってこと)
・・・他に違うところあるのかと悩みました、
肢3「自己の身を守るために他人の宅地に飛び込み板塀を壊した者」
肢5「自己の身を守るために他人の家の窓を割って逃げ込んだ」
二つとも同じ要件っぽいです。
他を考えてみると・・・
肢3「野生の熊が襲ってきた」
肢5「路上でナイフを持った暴漢」
この違いなんですが
正当防衛条文から確認すると
「他人の不法行為」に対し・・・
と、なっているので「野生の熊」は「他人」ではないということで不正解なのではなんでしょうか?
私は、そう思って、肢5を選択しました。
むずかしい・・・
つまり、「野生の熊」に追われて加害行為をしてしまったら、正当防衛が阻却事由にならないのですね。
(帰責事由になるのかもしれません)
そう考えると、正当防衛は「防衛した人」に責任をおわせないだけではなく、
加害行為をされた者への救済も考えられた条文とも言えるのかもしれません。
以上
【注意】この解説は、行政書士試験受験生の一人が勝手に意見を書いているだけなので、正解とは限りません!
ちなみに私は、問題集を何周もするより、教科書を理解できるまで周回する方が大事だと思います!
理解することが最重要です!2023年の行政書士試験でもわかるように、
「理解力」、「応用力」、「判断力」などが問われます。
肢別ばかりでは「応用力」と「理解力」が成長しません。
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