令和4年度 行政書士試験 憲法 問題3 表現の自由とプライバシー権 難しい 合格の要は憲法?

行政書士基本情報

令和4年度行政書士試験で、私が悩みました問題を改めて解いていこうと思います。

対象の問は「問題3」憲法です。

早速行きましょう。

問題3 表現の自由に関する次の判断基準が想定している事例として、妥当なものはどれか?    公共の利害に関する事項について自由に批判、論評を行うことは、もとより表現
の自由の行使として尊重されるべきものであり、その対象が公務員の地位における
行動である場合には、右批判等により当該公務員の社会的評価が低下することがあ
っても、その目的が専ら公益を図るものであり、かつ、その前提としている事実が
主要な点において真実であることの証明があったときは、人身攻撃に及ぶなど論評
としての域を逸脱したものでない限り、名誉侵害の不法行為の違法性を欠くものと
いうべきである。                                     1 XはA駅の構内で。駅員の許諾を受けず、また退去要求を無視して、乗降客や通行人に対してB市の施策を批判する演説を行ったところ、不退去などを理由に起訴された。          2 Yは雑誌上で、数教法人X1の会長X2に関する事実を批判的に報道したところ、X1X2の名誉を毀損したとして訴訟になった。                                3 作家Yは自らが執筆した小説にXをモデルとした人物を登場させ、この際にXが不特定多数への公開を望まない私生活上の事実を描いたため、Xが出版差し止めを求めて出訴した。    4 新聞記者Xは取材の過程で公務員Aに接近して親密になり、外交交渉に関する国の機密情報を聞き出したところ、機密漏えいにをそそのかしたとして起訴された。                   5 A市の 公立小学校で成績の評価方法をめぐる対立が生じ、市民Yが教員Xうぃ厳しく批判するビラを配布したところ、XがYに対して損害賠償を謝罪広告を求め出訴した。
何を言いたい判例なのか?ググったが、過去問には採用されていない判例のようです。
(ネット検索で確認しただけですが)

判例のリンクをつけておきます↓

公立小学校における通知表の交付をめぐる混乱についての批判、論評を主題とするビラの配布行為が名誉侵害としての違法性を欠くとされた事例

なんとなく判旨を読みましたが(間違っていたらすいません)

行政側:小学校の評価の方法を変えます

教員:そんなの許さん、通知表を交付しない(当時は教員の評価につながるともめていたみたいですからね)

生徒の父母:通知表もらえませんでした!!→その教員の名前とか載せたビラ5000枚配布

右翼:俺らも加勢するぜ

教員:やべぇ訴える!

裁判所:(公益を図る目的っぽいから仕方ないよね・・・)                  本件配布行為の主観的な意図及び本件ビラの作成名義人が前記のようなものであっ
ても、そのことから直ちに本件配布行為が専ら公益を図る目的に出たものに当たら
ないということはできず、更に、本件ビラの主題が前提としている客観的事実につ
いては、その主要な点において真実であることの証明があったものとみて差し支え
ないから、本件配布行為は、名誉侵害の不法行為の違法性を欠くものというべきで
ある。

てな感じだと思います。で、問題となるのが「名誉と表現の自由」についてです。それが具現化した法律がし刑法230条の2です(刑法ですが憲法の考え方がもとになっていると思われるので試験に出てるのではないのでしょうか?)

刑法230条の2 条文. 前条第一項(刑法230条名誉毀損罪)の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。. 2  前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。. 3  前条第一項(刑法230条名誉毀損罪)の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。

つまり、公務員への批判(その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合)だったら、一般の人への批判の時みたいな名誉棄損の処罰はしませんよ!って言っているのです。

つまり、選択肢で公務員が「名誉棄損だ!」って訴えている肢を解答すればOK

判例を知っていて、要点に気が付けば解答できます!

てことで、答えは肢5!正直、見たことない判例が肢に出てきたら戸惑う!

一問数分で判断しなければならない行政書士試験でこれはきついです!

でも、この判例はもしかして初?なので難しいかも…

 私はこの問いに間違えました。
私は、表現の自由と名誉棄損の要点だとは気が付きました。
が、2と答えてしました。
順に観ていきましょう。
1 XはA駅の構内で。駅員の許諾を受けず、また退去要求を無視して、乗降客や通行人に対してB市の施策を批判する演説を行ったところ、不退去などを理由に起訴された。
→これは、「パブリック・フォーラム論」、道路とか人が行きかうところでの表現の自由を認めています。ただ、判例では地下鉄駅構内では迷惑だと、表現の自由を認めていません。
頻出です、絶対覚えましょう。この肢は不正解です。
3 作家Yは自らが執筆した小説にXをモデルとした人物を登場させ、この際にXが不特定多数への公開を望まない私生活上の事実を描いたため、Xが出版差し止めを求めて出訴した。
→これは「石に泳ぐ魚」事件です。一般人(公共の利益にかかわらない)を対象としたプライバシーにかかわる事項は、名誉棄損に当たり、場合によっては出版の差し止めもできるとした判例。なのでこの肢は不正解。
4 新聞記者Xは取材の過程で公務員Aに接近して親密になり、外交交渉に関する国の機密情報を聞き出したところ、機密漏えいにをそそのかしたとして起訴された。
→外務省機密電文章漏洩事件です。記者が情報欲しさに公務員と恋愛関係になり、国家の機密情報を漏洩させた事件。記者が様々な方法で情報を取得しようとしても、すぐには違法とならないが、手段が刑法に触れる場合、社会通念上是認することができない場合は違法としています。この肢は不正解です。
残った、肢2と肢5なんですが、肢2は
「月刊ペン事件」昭和56.4.16です。公務員や政治家ではなくても
社会に及ぼす影響力の程度等によっては、社会的活動に対する批評評価の一資料として
「公共の利害に関する事実」当たる場合がある
としているのです。
つまり、公務員に批判を行うが、名誉棄損にならない場合があるように
社会に及ぼす影響力のある人への批判も場合によっては名誉棄損にならないとしているのです。
私はそれを主張して、2としましたが。ストレートに5が正解です。
以上です!
他にも解説しています↓
【注意】この解説は、行政書士試験受験生の一人が勝手に意見を書いているだけなので、正解とは限りません!
ちなみに私は、問題集を何周もするより、教科書を理解できるまで周回する方が大事だと思います!
理解することが最重要です!2022年の行政書士試験でもわかるように、
「理解力」、「応用力」、「判断力」などが問われます。
肢別ばかりでは「応用力」と「理解力」が成長しません。
↓↓↓絶対おすすめです!↓↓↓

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