行政書士試験過去問:記述式だけ:行政法だけ:平成18年から令和4年まで全部まとめました。

行政書士基本情報

行政書士試験過去問:記述式だけ:行政法だけ:平成18年から令和4年まで全部まとめました。

行政書士試験、平成18年から令和4年のすべての【問題44】(記述式:行政法)だけを載せていきます。ただのコピペページですが、使い方によっては新しい発見ができると思います。

平成18年

保健所長がした食品衛生法に基づく飲食店の営業許可について、近隣の飲食店営業者が営業上の利益を害されるとして取消訴訟を提起した場合、裁判所は、どのような理由で、どのような判決をすることとなるか。40字程度で記述しなさい。

解答

原告は、法律上の利益を有せず、原告適格を欠くという理由で、却下の判決をする。

平成19年

Xは、A県内においてパチンコ屋の営業を計画し、A県公安委員会に風俗営業適正化法に基づく許可を申請した。しかし、この申請書には、内閣府令に定める必要な記載事項の一部が記載されていなかった。この場合、行政手続法7条によれば、A県公安委員会には、その申請への対応として、どのような選択が認められているか。40字程度で記述しなさい。

解答

速やかに、相当の期間を定めて補正を求め、または申請された許可を拒否しなければならない。

平成20年

Xは、Y県内に産業廃棄物処理施設の設置を計画し、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき、Y県知事に対して設置許可を申請した。しかし、Y県知事は、同法所定の要件を満たさないとして、申請に対し拒否処分をした。これを不服としたXは、施設の設置を可能とするため、これに対する訴訟の提起を検討している。Xは、誰を被告として、いかなる種類の訴訟を提起すべきか。40字程度で記述しなさい。

解答

Y県を被告として、拒否処分の取消訴訟と設置許可の義務付け訴訟とを併合して提起する。

平成21年

Xは、外務大臣に対して旅券の発給を申請したが拒否処分をうけたため、取消訴訟を提起した。これについて、裁判所は、旅券法により義務づけられた理由の提示が不充分であるとして、請求を認容する判決をなし、これが確定した。この場合、行政事件訴訟法によれば、外務大臣は、判決のどのような効力により、どのような対応を義務づけられるか。40字程度で記述しなさい。

解答

外務大臣は、判決の拘束力により、判決の趣旨に従い改めて申請に対する処分を義務づけられる

平成22年

Y組合の施行する土地区画整理事業の事業地内に土地を所有していたXは、Y の換地処分によって、従前の土地に換えて新たな土地を指定された。しかし、X は、新たに指定された土地が従前の土地に比べて狭すぎるため、換地処分は土地 区画整理法に違反すると主張して、Yを被告として、換地処分の取消訴訟を提起 した。審理の結果、裁判所は、Xの主張のとおり、換地処分は違法であるとの結 論に達した。しかし、審理中に、問題の土地区画整理事業による造成工事は既に 完了し、新たな土地所有者らによる建物の建設も終了するなど、Xに従前の土地 を返還するのは極めて困難な状況となっている。この場合、裁判所による判決は、 どのような内容の主文となり、また、このような判決は何と呼ばれるか。40字程 度で記述しなさい。

解答

請求を棄却するとともに、処分の違法を宣言することを主文とする判決で、事情判決と呼ばれる。

平成23年

以下に引用する消防法29条1項による消防吏員・消防団員の活動(「破壊消防」と呼ばれることがある)は、行政法学上のある行為形式(行為類型)に属するものと解されている。その行為形式は、どのような名称で呼ばれ、どのような内容のものと説明されているか。40字程度で記述しなさい。

消防法29条1項
消防吏員又は消防団員は、消火若しくは延焼の防止又は人命の救助のために必要があるときは、火災が発生せんとし、又は発生した消防対象物及びこれらのものの在る土地を使用し、処分し又はその使用を制限することができる。

解答

即時強制と呼ばれ、義務の存在を前提とせずに、国民の身体や財産に有形力を行使するもの

平成24年

Xは、A県B市内に土地を所有していたが、B市による市道の拡張工事のために、当該土地の買収の打診を受けた。Xは、土地を手放すこと自体には異議がなかったものの、B市から提示された買収価格に不満があったため、買収に応じなかった。ところが、B市の申請を受けたA県収用委員会は、当該土地について土地収用法48条に基づく収用裁決(権利取得裁決)をした。しかし、Xは、この裁決において決定された損失補償の額についても、低額にすぎるとして、不服である。より高額な補償を求めるためには、Xは、だれを被告として、どのような訴訟を提起すべきか。また、このような訴訟を行政法学において何と呼ぶか。40字程度で記述しなさい。

解答

B市を被告として、損失補償の増額請求の訴えを提起すべきで、形式的当事者訴訟と呼ぶ。

平成25年

Aが建築基準法に基づく建築確認を得て自己の所有地に建物を建設し始めたところ、隣接地に居住するBは、当該建築確認の取消しを求めて取消訴訟を提起すると共に、執行停止を申し立てた。執行停止の申立てが却下されたことからAが建設を続けた結果、訴訟係属中に建物が完成し、検査済証が交付された。最高裁判所の判例によると、この場合、①建築確認の法的効果がどのようなものであるため、②工事完了がBの訴えの訴訟要件にどのような影響を与え、③どのような判決が下されることになるか。40字程度で記述しなさい。

解答

建築確認は、適法に工事を行える法的効果しかないため、訴えの利益が失われ却下判決が下される。

平成26年

A市は、同市内に市民会館を設置しているが、その運営は民間事業者である株式会社Bに委ねられており、利用者の申請に対する利用の許可なども、Bによってなされている。住民の福利を増進するためその利用に供するために設置される市民会館などを地方自治法は何と呼び、また、その設置などに関する事項は、特別の定めがなければ、どの機関によりどのような形式で決定されるか。さらに、同法によれば、その運営に当たるBのような団体は、何と呼ばれるか。40字程度で記述しなさい。

解答

公の施設と呼び、A市議会により条例で決定される。Bのような団体は、指定管理者と呼ばれる。

平成27年

Xは、Y県内で開発行為を行うことを計画し、Y県知事に都市計画法に基づく開発許可を申請した。しかし、知事は、この開発行為によりがけ崩れの危険があるなど、同法所定の許可要件を充たさないとして、申請を拒否する処分をした。これを不服としたXは、Y県開発審査会に審査請求をしたが、同審査会も拒否処分を妥当として審査請求を棄却する裁決をした。このため、Xは、申請拒否処分と棄却裁決の両方につき取消訴訟を提起した。このうち、裁決取消訴訟の被告はどこか。また、こうした裁決取消訴訟においては、一般に、どのような主張が許され、こうした原則を何と呼ぶか。40字程度で記述しなさい。

解答

被告はY県であり 、 裁決固有の瑕疵のみが主張でき 、この原則を原処分主義という 。

平成28年

A市は、A市路上喫煙禁止条例を制定し、同市の指定した路上喫煙禁止区域内の路上で喫煙した者について、2万円以下の過料を科す旨を定めている。Xは、路上喫煙禁止区域内の路上で喫煙し、同市が採用した路上喫煙指導員により発見された。この場合、Xに対する過料を科すための手続は、いかなる法律に定められており、また、同法によれば、この過料は、いかなる機関により科されるか。さらに、行政法学において、このような過料による制裁を何と呼んでいるか。40字程度で記述しなさい。

解答

A市長により、地方自治法の定める手続きによって科され、これを秩序罰と呼ぶ。

平成29年

A市は、市内へのパチンコ店の出店を規制するため、同市内のほぼ全域を出店禁止区域とする条例を制定した。しかし、事業者Yは、この条例は国の法令に抵触するなどと主張して、禁止区域内でのパチンコ店の建設に着手した。これに対して、A市は、同条例に基づき市長名で建設の中止命令を発したが、これをYが無視して建設を続行しているため、A市は、Yを被告として建設の中止を求める訴訟を提起した。最高裁判所の判例によれば、こうした訴訟は、どのような立場でA市が提起したものであるとされ、また、どのような理由で、どのような判決がなされるべきこととなるか。40字程度で記述しなさい。

解答

行政権の主体とした立場で提起したとされ、法律上の争訟ではなく、却下判決がなされる。

平成30年

Xは、A県B市内において、農地を所有し、その土地において農業を営んできた。しかし、高齢のため農作業が困難となり、後継者もいないため、農地を太陽光発電施設として利用することを決めた。そのために必要な農地法4条1項所定のA県知事による農地転用許可を得るため、その経由機関とされているB市農業委員会の担当者と相談したところ、「B市内においては、太陽光発電のための農地転用は認められない。」として、申請用紙の交付を拒否された。そこで、Xは、インターネットから入手した申請用紙に必要事項を記入してA県知事宛ての農地転用許可の申請書を作成し、必要な添付書類とともにB市農業委員会に郵送した。ところが、これらの書類は、「この申請書は受理できません。」とするB市農業委員会の担当者名の通知を添えて返送されてきた。この場合、農地転用許可を得るため、Xは、いかなる被告に対し、どのような訴訟を提起すべきか。40字程度で記述しなさい。

(参照条文)
農地法
(農地の転用の制限)
第4条 農地を農地以外のものにする者は、都道府県知事(中略)の許可を受けなければならない。(以下略)
2 前項の許可を受けようとする者は、農林水産省令で定めるところにより、農林水産省令で定める事項を記載した申請書を、農業委員会を経由して、都道府県知事等に提出しなければならない。
3 農業委員会は、前項の規定により申請書の提出があったときは、農林水産省令で定める期間内に、当該申請書に意見を付して、都道府県知事等に送付しなければならない。

解答

A県を被告として、農地転用許可の義務付け訴訟に不作為の違法確認の訴訟を併合提起する。

令和元年

A所有の雑居ビルは、消防法上の防火対象物であるが、非常口が設けられていないなど、消防法等の法令で定められた防火施設に不備があり、危険な状態にある。しかし、その地域を管轄する消防署の署長Yは、Aに対して改善するよう行政指導を繰り返すのみで、消防法5条1項所定の必要な措置をなすべき旨の命令(「命令」という。)をすることなく、放置している。こうした場合、行政手続法によれば、Yに対して、どのような者が、どのような行動をとることができるか。また、これに対して、Yは、どのような対応をとるべきこととされているか。40字程度で記述しなさい。

(参照条文)
消防法
第5条第1項 消防長又は消防署長は、防火対象物の位置、構造、設備又は管理の状況について、火災の予防に危険であると認める場合、消火、避難その他の消防の活動に支障になると認める場合、火災が発生したならば人命に危険であると認める場合その他火災の予防上必要があると認める場合には、権限を有する関係者(略)に対し、当該防火対象物の改修、移転、除去、工事の停止又は中止その他の必要な措置をなすべきことを命ずることができる。

解答

何人も、命令をすることを求めることができ、Yは必要な調査を行い、命令しなければならない。

令和2年

A県内の一定区域において、土地区画整理事業(これを「本件事業」という。)が計画された。それを施行するため、土地区画整理法に基づくA県知事の認可(これを「本件認可処分」という。)を受けて、土地区画整理組合(これを「本件組合」という。)が設立され、あわせて本件事業にかかる事業計画も確定された。これを受けて本件事業が施行され、工事の完了などを経て、最終的に、本件組合は、換地処分(これを「本件換地処分」という。)を行った。

Xは、本件事業の区域内の宅地につき所有権を有し、本件組合の組合員であるところ、本件換地処分は換地の配分につき違法なものであるとして、その取消しの訴えを提起しようと考えたが、同訴訟の出訴期間がすでに経過していることが判明した。

この時点において、本件換地処分の効力を争い、換地のやり直しを求めるため、Xは、誰を被告として、どのような行為を対象とする、どのような訴訟(行政事件訴訟法に定められている抗告訴訟に限る。)を提起すべきか。40字程度で記述しなさい

解答

Xは、本件組合を被告として、本件換地処分を対象とする無効等確認の訴えを提起すべき。

令和3年

私立の大学であるA大学は、その設備、授業その他の事項について、法令の規定に違反しているとして、学校教育法15条1項に基づき、文部科学大臣から必要な措置をとるべき旨の書面による勧告を受けた。しかしA大学は、指摘のような法令違反はないとの立場で、勧告に不服をもっている。この文部科学大臣の勧告は、行政手続法の定義に照らして何に該当するか。また、それを前提に同法に基づき、誰に対して、どのような手段をとることができるか。40字程度で記述しなさい。なお、当該勧告に関しては、A大学について弁明その他意見陳述のための手続は規定されておらず、運用上もなされなかったものとする。

(参照条文)
学校教育法
第15条第1項
文部科学大臣は、公立又は私立の大学及び高等専門学校が、設備、授業その他の事項について、法令の規定に違反していると認めるときは、当該学校に対し、必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

解答

行政指導に該当し、文部科学大臣に対して、当該勧告の中止等を求めることができる。

令和4年

開発事業者であるAは、建築基準法に基づき、B市建築主事から建築確認を受けて、マンションの建築工事を行い、工事完成後、Aは当該マンションの建物につき、検査の上、検査済証の交付を受けた。これに対して、当該マンションの隣地に居住するXらは、当該マンションの建築計画は建築基準法令に適合せず、建築確認は違法であり、当該マンションも、そのような建築計画に沿って建てられたものであるから違法であって、当該マンションの建物に火災その他の災害が発生した場合、建物が倒壊、炎上することにより、Xらの身体の安全や家屋に甚大な被害が生ずるおそれがあるとして、建築基準法に基づき違反建築物の是正命令を発出するよう、特定行政庁であるB市長に申し入れた。しかしながら、B市長は、当該建築確認および当該マンションの建物に違法な点はないとして、これを拒否することとし、その旨を通知した。

このようなB市長の対応を受け、Xらは、行政事件訴訟法の定める抗告訴訟を提起することにした。この場合において、①誰を被告として、②前記のような被害を受けるおそれがあることにつき、同法の定める訴訟要件として、当該是正命令がなされないことにより、どのような影響を生ずるおそれがあるものと主張し(同法の条文の表現を踏まえて記すこと。)、③どのような訴訟を起こすことが適切か。40字程度で記述しなさい。

(参照条文)
建築基準法
(違反建築物に対する措置)
第9条
特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主、当該建築物に関する工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者又は当該建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者に対して、当該工事の施工の停止を命じ、又は、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他これらの規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。

解答

B市を被告とし、重大な損害が生ずるおそれがあることを主張し、義務付けの訴えを提起する

おわりに

力試しに模試をやってみてはいかがですか?

記述式に対する自信が付きますよ。

大根おろし
大根おろし

このページは私が作りました。

令和3年166点

令和4年記述抜き182点

サラリーマンしながら法律の勉強をしているただのオジサンです。

行政法を極めよう。そうすれば道は開かれます。

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